こんばんは 松本です。
まだ10月だというのにすでに秋物コートとヒートテックタイツのお世話になり始めた。
ちょうど良い季節はあっという間と感じながらも、人間そのものが地球の四季折々に適応した生き物であることに気づくと自分の弱さを痛感する。
XJ-S最終型 とても大事にされてきた10万kmの個体だ。
オーナーさんは半日走り続けてご来店いただけた。
エアコンが効かないという依頼を別の工場で依頼したら、コンデンサーからガスが漏れていると診断を受けたらしい。
しかも、コンデンサーを交換しても室内で漏れていたら修理代が高額になると脅されてしまったようだ。
さっそくガス量点検。
??
ガスが抜けきっていない?
コンデンサやエバポレータなどから漏れていればたいがい空っぽになるものだ。
対して、ホースのつなぎ目オーリングやコンプレッサーなどから漏れている場合には漏れの進行はゆっくりであることが多いと自動車全般のエアコン修理経験と勘からコンデンサのガス漏れが主原因ではないと判断した。
コンプレッサー、コンデンサー、エキスパンションバルブ、ドライヤ、各種ホースと目視してもガス漏れは見当たらない。
コンプレッサーが回らないんだから電気修理に思考回路をスイッチしよう。
コンプレッサーリレーのドライブ回路にサーキットテスターで抵抗を読んでみるとものの見事にグランドアースされている。
これは分かりやすいショートだ。
ヒューズも切れてるんだろう。
ヒューズを点検してとても驚いた。
本来5アンペアのヒューズが挿し込まれているいるべきコンプレッサーヒューズに15アンペアのヒューズが挿さっていた。
よく配線燃えなかったなと胸を撫でる。
こんなきれいなXJ-Sが車両炎上なんてことになっていたらと思うとぞっとする。
改めて5アンペアを挿し込むも、威勢よく「パチン」と切れた。
原因はコンプレッサークラッチのショートグラウンド。
プレッシャSWやサーミスタのエアコン作動許可信号を受けたエンジンコンピューターがコンプレッサー稼働命令を出した瞬間切れる。その時間はエンジン始動後4秒後。
コンプレッサークラッチ単体での部品供給に行き当たらず、残念ながらコンプレッサー丸ごと交換が必要だと判断した。
コンデンサやエバポレータの無用な交換をさせられていたとしたらユーザーもやりきれなかっただろう。
ちなみにコンプレッサーのクラッチを外したら本体からガス漏れ(しかも多量な蛍光剤確認)。
回ってるときだけガスが漏れてたから少し減ってたんだね。
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