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Jaguar S-type 変速荒い

松本です。

 

毎年、1月半ばに高熱を出す。

大好きなおしるこを見るとそんな過去を思い出す。

そしてまた、今年も動けないほど身体がしびれてベッドの上でこの記事を書いている。

 

茨城から遠く・相模原市からお越しいただいた最終モデルS-TYPE

 

止まる直前にがっくんと振動するというもの。

トランスミッションが2速から1速に変速するときに引っかかるイメージのようだ。

 

このトランスミッションはZF社の6HP26というモデルが搭載されている。

 

症状の出方が一様で無いが、問題を引き起こす。

 

ATFを定期的に交換することでその色々が防げるとは言いきれないが、少なくとも延命させる唯一の手段であることは確かだ。

 

というのも、最近まだ当店の技術で直せない箇所がひとつあることが判明している。

コンピューターのROMのパンク。

これだとしたら、ジャガーの場合丸ごと交換せざるを得ないのが現状段階だ。

そうでないことを祈りつつATFの交換を進めよう。

ATFの交換ではあったものの、2時間以上かけて来てくれているのだから、状況把握は完ぺきにしておきたい。

 

無償作業になることは承知だが、僕の興味の中でバルブボディーを外してみた。

 

コンディションは良い。

 

このミッションがオーナーの知らずうちにオーバーヒートしているとガスケットが剥離していることがあった。

バルブボディーの分解までは必要ないと判断して、ソレノイドの清掃だけをしておこう。

 

作業後、試運転に問題は無し。

2,3にち後ユーザーへ予後うかがいの連絡をしてみた。

 

「すごい改善状態だ」

 

いえいえ、今回は特別な技術は施してません。

ただのATF交換です。

 

ATFフィルターでも詰まっていただけかもしれませんし。

それよりなにより、さきほど触れたコンピューターROMがパンクしていた場合の話。

Transmission Control Modul だから略して『TCM)』とも言われるコンピュータはミッションの中に搭載され高温(100℃以上)のATFに晒される。

これをパンクさせないためには、適切なラジエター冷却水の交換とATFの交換しか今のところ対応策はないと思う。

 

「1時間以上乗って、ミッションが温まったころシフトが荒くなる」

この種の問い合わせが入ると、少しナーバスになるのはROMの可能性が高いこと。

 

同じ6HPでもBMWやアウディ・ランドローバーのROMであれば直せるかもね。

 

6HP26について十分な経験をやっと得てきた。

なんとかジャガーのTCMも直してあげたいものだ。